
つまりは、バランスだ。
いつもそう思う。
畳の部屋に木の建具。
間違いない。教科書的だ。
しかし、これでは和に傾きすぎている。
しかも手作業の色合いが強い。
だから、工場生産のプロダクト品を置く。
前者がどこか柔らかく、温かみを感じさせるのに対して、
後者は徹底して表情を変えないクールな雰囲気を
空間に放出する。
時代なんだと思う。
自国のもののみに着目した
ユニラテラリズムを通しては、
今や一人で鎖国を楽しむようなもの。
時には異端とすら見られるだろう。
今は、世界の中の日本、日本の中の家族。
それを意識して生活を営むべき、楽しむべき
マルチな時代なのじゃないかと思う。
そう思う一方で、伝統的な風習、建物、
それらを含む文化そのものが衰退していく悲しさを、
見逃すことはしたくない。
しかし、捨てたものではない。
「世界を知った上で、日本を選ぶ」。
その思いを抱くものは、
案外若い世代の中に多いように思う。
和風の住まいの施主が、
意外にも若夫婦であることが少なくないからだ。
しかも世界を知る現代人らしく、
エキゾチックな演出も忘れてはいない。
やはりバランスなんだ。
やっぱり思う。
日本の住文化が廃れる前に、
日本の住まいの面白さを知って欲しい。
そう思い続けている私にとって、
近年の和風ブームは、夏陰のように心地よい。
(編集部 H)




