・月日は百代の過客にして、行きふ年も又旅人也
と聞いてわからない人も、
・夏草や兵どもが夢の跡
・五月雨をあつめて早し最上川
・閑さや岩にしみ入蝉の声
といった句をあげると連想される一人の人物がいると思います。
奥の細道で有名な故人を偲んで、ということでもなく、
ましてや行き先を決めて行動したわけでもなく、
軽いフットワークで東北まで行ってきました。

こちらはNHK連続テレビ小説「おしん」の舞台にもなった銀山温泉。
銀山という名前の通り、かつては銀鉱があったのですが
寛永年間のかつて、工夫が温泉を発見したことが開湯の由来。
銀鉱閉山後は湯治場として賑わいを見せた一方で
1900年代の初めの大洪水で温泉街が壊滅したそうです。
その際に、地元有力者の手によって街が復興され、
現在の銀山温泉の光景ができあがったということで
大正から昭和初期の建築が並んでいます。

ガイドマップを見ると載っている「大正浪漫」の言葉もあながち嘘ではなく、
道にはガス灯が設置され、写真のように銀山川の清流を挟んで
両側に三層四層の木造旅館が建ち並んでいます。
対象浪漫というと、銀座や浅草十二階といったような都会を
モボやモガが闊歩するイメージが強かったのですが
田舎の山奥に(決して悪い意味ではなく)
当時としてはモダンな建物が造られているのは
単純にすごいなあという印象です。
一方で上の写真のように、その並びに足湯が設置されており
温泉街の雰囲気を更に後押ししています。

あいにく旅館に宿泊することは時間の都合上できず、
共同浴場「しろがね湯」(写真上)に寄させてもらいました。
浴槽は狭く、熱めの、ほのかに硫黄のにおいのするお湯。
街のはずれにあることもあって人が全然訪れず、
窓の外から見える清流の音と、時折通る通行人の声をBGMに
しばしゆっくりとした時間を過ごすことができました。
いずれにせよ、現代的に造り込まれた温泉街にはない
空気に触れることができます。
ここで撮った写真は、図ったように人が全く写っていませんが、
実際は観光客を多く目にします。
近くに行った際に足を運んでみてください。
但し、自家用車で訪れた際は駐車場がありません。
それを知らずに訪れたのですが、車での乗り入れが禁止で
近くの旅館の駐車場を借りて歩く必要があるので要注意です。
旅慣れているから、というわけではありませんが、
久しぶりに北へ来て缶コーヒーのホットが自販機に並んでいるのをみて
「もうそんな時期か……」と、ふと思いました。
秋は、どうも苦手です。

posted by マイホームいしかわ編集部 at 17:05|
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