
愛知県にある明治村を訪ねた。
実態をあまり知らなかったので、
さしたる期待をしてはいなかったのだが、行ってみて驚いた。
フランクロイドライトが手がけた帝国ホテル(の一部)や、
金沢刑務所など、ありとあらゆる過去の建築が建っていたからだ。
中でも帝国ホテルのつくりには、ため息がでた。
幾何学的な重なりがリフレインし、
建物全体の統一感を高めている厳かなつくりは、
まさに「帝国」の名にふさわしい印象を受けた。
重々しくも華麗で、丁寧なつくりこみがなされた空間。
大胆な空間構成と、緻密な職人技。
そきにあるのは、間違いなく過去の建物なのに、
私が感じたのは、未来への意思だった。
そして事実、2つの年号をまたいだ平成の時代に眺めてなお、
新しさを感じさせている。
こうなると、「古い家」という呼び方に違和感を覚えてきた。
古くなるのは、家ではなく素材ではないのか。
家自体に宿る設計者の意思や空間は、
それが確固たるものであればあるほど、
風化するものではないのではないか。
そんな風に思えてきた。
やっぱり建築は面白い。
なぜなら、住まいには
必ず人や文化の影がついてまわるから。
(編集部 H)




