家族が金沢を訪ねて来たため、
週末は臨時の観光ガイドになっていた私。
金沢城跡、兼六園、21世紀美術館、寺町の寺院群などなど、
私にとっての日常を、非日常の目線で
紹介しなければならないのだから、なかなか楽ではない。
しかし、こんなことでもない限り、
1人で来たりしないのもまた事実だから、
半分は楽しんでいたりする。
その折に、(というよりも、ここを外すことはできないだろうが)兼六園を訪れた。
「春でも秋でもない、太陽が照りつける兼六園はどうなのだろうか?」と、
訪れる前は考えていたが、悪い予想は簡単に覆された。
というのは、緑と水の美しさに魅了されたから。
苔むした水路をちょろちょろと流れる水。
水路をとうとうと流れる水。
そこへ木陰をつくる、名のある松やその他数々の木々。
気になるのは水の流れだけで、普段あれほど気にしている
時間の流れはまったく気にならない。
「これが殿様の時間なのかね」と、
よこしまな気持ちも生まれたが、心地よいことには違いない。

そこでふと、ある取材で「庭の魅力は?」と尋ねたとき、
「気持ちの切り替えができること」
という答えが返ってきたことを思い出した。
その言葉の本当の意味が、兼六園の緑に囲まれて、分かった気がした。
(編集部H)




